拍子木の音

「火の用心、マッチ一本家事の元〜」でお馴染みの火事の夜回り。
最近は全く聞かなくなった夜回りの声だが、週に一度くらい拍子木を打つ音だけ聞こえる。
気のせいかな?と最初は思っていたが、自治体による夜回りが行われているそうだ。

福井県のとある町ではこの夜回りのおかげで過去30年も火事がないそうで、やはり一定の効果があると言えそう。
祖父の家に泊まりに行っている盆正月に、ちょうどその係が回ってきたからと一緒に行ったことがある。
5人くらいの人数で首から提げた拍子木を打ちながら、火事防止の標語「火の用心〜、」を声に出していく。

このときに気がついたことだが、拍子木の音や標語を聞いたから火事への意識が高まるというよりかは、ガスの元栓閉めてきた?と顔を合わせるたびに確認できるような近所づきあいを作る、というのが夜回りの本質なのではなかろうか。

また、隣近所に何かあったときは地域みんなで家の外に置いている消火バケツを持って集まる、というような時代のなごりだと思う。
今では、すぐ近くで消防車のサイレンが鳴ってもなすすべが全くなく、ただただ見守るしかないし、万が一飛び火しそうなら逃げるしかない。

自分たちで火を消そう!と意識があった昔の地域作りには絆があったんだろうなと思う。
日頃から隣近所の顔を見ることもない最近だが、持ち回りの夜回りがあれば、だいたい顔を覚えていくこともできる。

拍子木を打っている音が小さいことから、少し離れた町内で行われているであろう夜回り。
古くから一軒家が多い地域なだけあって、繋がりが深いということだろう。

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